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行動の動機を作るために、キャラクターに「欠損」させよう!

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行動の動機を作るために、キャラクターに「欠損」させよう!

主人公は「欲」を持て





土田博士
「この間、主人公は自分から動かないといけない、という話をしたね。『欲望』(望み)『動機』になって、主人公が自分の意思で動くからこそ、ドラマになるんだ」

まり子ちゃん
「『ドラゴンボール』の悟空の例を出してましたよね。最初は成り行きでブルマについていってただけだったのが、悟空が『強くなりたい』という『欲』を持って、自分から動くようになったら、大ヒット漫画になったって」


主人公に「欲」を持たせるためには?


土田博士
「そう。じゃあ、どうやって主人公に『欲』を持たせればいいと思う?」

まり子ちゃん
「『欲』を持つのに、理由なんているんですか?」

土田博士
「じゃあ、食欲について考えてみよう。まり子ちゃんは、おなか一杯の時に、食欲がわくかな?」

まり子ちゃん
「おなか一杯じゃあ、わくわけないじゃないですか」

土田博士
「そう、食欲がわくのは、おなかがすいている時、つまり食べていない時だ。食べていないからこそ、食べたいという欲がわくんだ。

『欲』を持つためには、満たされていてはダメなんだ。満たされていないから、欲がわくんだよ。食べていないから、食べたいと思うんだ」

まり子ちゃん
「なんか当たり前のこと言ってますね」

土田博士
「そう、当たり前のことだ。当たり前のことだからこそ、大切なんだよ。


欲望から逆算して「欠損」を作ろう


土田博士
「例えば『お金が欲しい』というキャラを描きたいとしたら、どうすればいいと思う?」

まり子ちゃん
「この流れから行くと、『お金が欲しい』という欲がわくためには、今お金を持っていちゃいけないわけですね。じゃあ、貧乏なキャラにすればいいんですか?」

土田博士
「正解だ! 例えば、『こち亀』の両さんは、お金が大好きで、いっつもあの手この手でお金を手に入れようとしているけど、両さんは貧乏だからこそ、お金が欲しいんだね」



土田博士
「『モテたい』というキャラなら、今は逆に全然モテない設定にすればいい。『うる星やつら』の諸星あたるがそうだね。『賢くなりたい』なら、今はバカという設定にすればいい。『ドラゴン桜』がそうだね。『強くなりたい』なら、最初は弱くすればいい。『はじめの一歩』がそうだ。

こういう風に、主人公の欲望から逆算して、『欠損』を作ると、キャラクターが作りやすくなるよ」

  

まり子ちゃん
「でも博士、悟空は最初から強くないですか? 『パタリロ!』のパタリロは、大金持ちなのに、それでもお金が大好きですよ」



土田博士
「悟空は最初は一般人から見ればものすごく強いけど、亀仙人と出会って、もっとすごい人がいる、もっと強くなりたい、と思うんだ。この場合、目標があって、その目標に到達するためには、まだまだ欠けているものがある、ということだね。

『パタリロ!』の場合は、すでに超お金持ちなのに、それでもまだまだお金が欲しい、ということで、いかに欲望が強いかということを表して、キャラクターを立てているんだね。今回の『欠損を作ろう』という方法からは外れちゃうけど、こういう方法もあるんだ、と覚えておくといいね」



「過去のトラウマ」という欠損


まり子ちゃん
「でも、そんなにみんな何かが欠けてますか? 例えば、『るろうに剣心』の剣心なんて、何か欠けてますか?」


土田博士
「たしかに剣心は、あまり欲のないキャラクターだね。彼の望みは、『目に見える範囲の人を救いたい』という、漫画のキャラとしては比較的にささやかなものだ。

でも剣心がそういう望みを持つに至るには、過去のトラウマがあるんだ。

剣心は、昔は『人斬り抜刀斎』という、最強の人斬りだった。そのとき人を大勢殺めてしまったという後悔の念から、今は逆に『人を救いたい』と思うようになったんだ。

過去の罪やトラウマを埋めたい、償いたい、取り返したいというのも、『欠損』の一つの表現、ということだね」

まり子ちゃん
「だしかに、もしも剣心にそういう過去の罪の意識みたいなものがなくて、ただ『拙者、人を救いたいでござるよ』なんて言っても、なんか胡散臭く感じちゃいますね。『え、どうして他人なんか救いたいの?』『何か裏があるんじゃないの?』って疑っちゃいます」

土田博士
「その通りだよ。僕はそれが言いたかったんだ。

新人賞の投稿作なんかを見てみると、ヒーローもので、『こいつ、なんで他人なんか救いたいの?』って思っちゃうものは、実に多いんだ。

投稿作どころか、掲載された新人の読みきりでも、『こいつ、なんで他人なんか救いたいの?』とか『なんでこいつが戦うの?』っていうマンガは沢山あるよ。

『人斬り抜刀斎という過去がない剣心』にならないように気を付けることは、大切なことだよ」

まり子ちゃん
「あー、なんか、私のマンガもそんな感じがしてきた…。主人公の動機が弱いって事ですね。主人公に強い動機を与えるのは、欠損させろ、と」



実例を見てみよう


土田博士
「もう少しわかりやすいように、もう少し実例を見てみよう」


エドワード・エルリック(『鋼の錬金術師』)
欠損:右手、左足、弟の体
望み:失った手足と弟の体を取り戻す


上杉達也(『タッチ』)
欠損:弟
望み:弟が果たせなかった甲子園出場を果たす


矢吹丈(『あしたのジョー』)
欠損:生きがい
望み:人生が燃え尽きるまでボクシングをする


早乙女乱馬(『らんま1/2』)
欠損:男の体
望み:男の体を取り戻す


エレン・イェーガー(『進撃の巨人』)
欠損:母親
望み:母親の仇である巨人を駆逐する


羽瀬川小鷹(『僕は友達が少ない』)
欠損:友達
望み:友達が欲しい


他にも、主人公脇役問わず、いくらでも例があるから、探して分析してみるといいよ。

この欠損理論は全てのマンガに当てはまるわけじゃないけど、これを頭にしっかり入れておくと、キャラクターを考えやすくなったり、キャラクターを行動させやすくなるのは間違いないと思うよ」

まり子ちゃん
「『欠損』を埋めるまでの過程が、漫画のドラマなんだって事ですね」
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